第一章 濡須口の戦い
02.戦闘前
賈ク 曹丕陛下。
皇帝となっての最初の戦となります。
曹丕 賈クよ、私がこうして皇帝となれたのも
後継者に推してくれたお前の功績が大きい。
曹丕 お前に陛下と言われるのは面映いな。
賈ク 陛下はなるべくして皇帝となったのです。
私の力など……
曹丕 フッ、謙遜するな。
まあ、お前らしいがな。
賈ク 軍師の陸遜とやらが不在とはいえ
慎重に軍を進めるべきです。
賈ク 呉の将たちは、領地を守ることに関しては
非常に優れたものがあります。
曹丕 お前にしては敵を評価するじゃないか。
曹丕 赤壁のことでも思い出したか?
賈ク 陛下も皮肉が好きですな。
賈ク 私は陛下の身を案じておるだけですが。
曹丕 フフ、心配せんでいい。
曹丕 皇帝としての第一歩、呉に刻んでくるぞ!
03.戦闘開始
朱桓 陸遜の不在を見計らって侵攻とは……
魏の皇帝殿は、ずいぶん狭量だな!
曹丕 フフフ。
私は父とは違う。
曹丕 勝つことがすべて……
やり方にはこだわらん。
曹丕 貴様らが死ねばそれでよいのだ!
04.一定時間
曹仁 張遼!
我らも、戦い続けて数十年か。
曹仁 お互い、ずいぶん年をとったものだな!
張遼 俺の武はいささかも衰えておらんぞ。
張遼 試してみるか?
曹仁 ワハハ! その調子なら
まだ十年は戦えそうだな!!
曹仁 かつて孫権を震え上がらせたその武、
思う存分にふるってこいや!
張遼 おそらく、これが最後の戦となろう……
我が武のすべて、孫呉に見せつけてやるか。
05.撃破
曹真 呉の将兵ども、命が惜しくなければ
この曹真と虎豹騎にかかってこい!
曹丕 さすがだな、曹真よ!
今後もその武で私を支えてくれ。
曹真 もったいなきお言葉。
曹真 しかし、親を亡くした私を育ててくださった
曹操様の恩には報いきれておりません。
曹丕 フッ、親父のことは忘れていいぞ。
大事なのは過去ではない。
曹丕 お前が今から何を成すか、だ。
曹真 陛下は冷たいお人柄だと言われますが……
兄弟同然に育った私にはわかります。
曹丕 何のことだ?
曹真 曹操様には、張遼殿や徐晃殿のような
偉大な武将が仕えておりました。
曹真 彼らと比較しないことで、我らに重圧を
かけないように配慮されておりますな。
曹丕 フン、つまらんことを言う。
曹丕 無駄口をたたかず、次の敵を探せ!
06.一騎討ち
丁奉 張遼! この時を待っていたぞ!
この丁奉が、貴様の進撃止めてくれる!
張遼 俺と一騎討ちだと……?
青二才が、死んでから後悔するんだな。
丁奉 俺が青二才なら、貴様は死に損ないの
老人だろうが!
丁奉 次代の孫呉を担う、この丁奉の
力をとくと味わえ!
張遼 ずいぶん自信家だな。
よかろう、その口すぐに閉じさせてやる!
07.計略使用
曹丕 呉を滅ぼし、父を越える。
この曹丕が、新たな時代を築くぞ……!
08.戦闘勝利
朱桓 チッ、二代目もなかなかやりやがる!
一度退いて、体制を立て直すぞ!
曹丕 まずは我が覇業の第一歩を刻んだぞ。
この勢い、決して止まることはない!
曹真 このまま追撃するが上策かと。
曹丕 ああ、それは……
も、もちろん……だ……
曹真 陛下、いかがなされました?
陛下? 陛下!!
09.戦闘後
曹丕 仲達よ……
どうやら私の命はあとわずかのようだ。
司馬懿 陛下……弱気なことを。
曹丕 仲達……
曹丕 息子の曹叡はまだ若い。
お前が支えてやってくれ。
司馬懿 承知いたしました。
曹丕 お前は何かと悪い噂もたっているが……
私は信用しているからな……
司馬懿 は……
曹丕 陳羣も……後は頼んだぞ。
陳羣 ご安心ください。
法は整備されております。
陳羣 魏は末永く栄えることでしょう。
曹丕 ああ、そうか。
お前が言うなら安心だ。
曹丕 そ、曹真はいるか……?
曹真 この曹真、命に代えてもこの国を
守り抜いていきますぞ、陛下……
曹丕 ああ、頼んだ……
曹丕 しかし、無念だ……
親父を越えることは……できなかった……