第十一章 天下統一



01.戦闘開始前



杜預 羊コ殿……お体の具合はどうですか?



羊コ 杜預ですか。



羊コ ええ、良くないですよ。



杜預 ちょ、ちょっと弱気になりすぎでしょう!



杜預 羊コ殿がいないと、この新しい国は
    まとまらないんですから!



羊コ いえ、自分の体のことはわかっています。
    そう長くは持たないでしょう。



羊コ 杜預、後のことはあなたに託します。



杜預 だ、だから俺には無理ですって!



羊コ 確かに、あなたにはケ艾殿や私ほどの
    実戦経験はありません。



羊コ しかし……いざという時の果敢な判断力は
    私たち以上だと思っています。



杜預 俺がケ艾殿と羊コ殿以上……?



羊コ 呉を攻める準備は整えておきました。
    あなたは私の兵を率いていきなさい。



杜預 よ、羊コ殿……!



羊コ あなたしかいません。
    天下を一つに戻すことができるのは……



杜預 天下を一つに……



02.戦闘開始前




杜預 呉は孫晧の暴政により衰えております!
    今こそ好機!!



司馬炎 呉に侵攻、か。
      作戦は?



杜預 成都の王濬を始め、六軍をもって各方面から
    建業に一気に侵攻します!



杜預 さすれば敵は一気に崩れていくでしょう。
    そう、まるで竹が割れるかのごとく……



杜預 つまり「破竹の勢い」!



司馬炎 破竹の勢い……



杜預 そうです。時間はかかりません。
    この杜預の指揮を信じてください!



司馬炎 いいだろう。



司馬炎 おぬしに任せたぞ。



杜預 ははっ!




杜預 羊コ殿……俺はやるぞ。



杜預 天下を一つにしてみせる……!



03.戦闘開始




孫晧 ちくしょう! 晋の奴らめ……!
    張悌、おめえだけが頼りだぞ!



張悌 孫呉の命運、ここまでか……
    だが、最後まで戦います。



張悌 誇りだけは失うわけにはいかないのです。



杜預 死を覚悟した兵は思わぬ力を見せる……



杜預 だが!!
    我が軍の勢いの前には、それさえ通じん!!



杜預 進め進め進め進めーーー!!!



04.一定時間




周旨 完全に勢いは我が軍が上回ってますな。



杜預 ああ。しかし正直……



杜預 この俺の采配に、どれだけ皆が
    ついてきてくれるか不安だったがな。



周旨 杜預殿ほどの方でもそのようなことを
    思われるとは、意外ですな。



杜預 こう見えて、俺は戦なんぞよりも
    一人で書物を読んでる方が好きだからな。



周旨 ますます意外ですな……



杜預 ただ……誰かがやらねば
    天下は一つにならないからな。



杜預 そして、戦う以上は勝つのみだ!!



05.撃破




周旨 じいさん、ずいぶんと張り切ってんな。
    だけど、無理はすんじゃねえぞ!



王濬 やかましい、若造!
    ワシは今、肉体的に最も良い時期!



王濬 これまでの人生で、最も強くなっておる!
    なんならおぬしが試してみるか!?



周旨 ちっ、無駄な心配しちまったか。
    俺も負けておれんな!





07.特定撃破




張悌 ……どうやら、ここまでですか。



張悌 覚悟はしていましたが。



杜預 なぜ降伏しなかった?
    降伏さえすれば、命は助かっていた。



張悌 私は孫呉の人間です。



張悌 孫呉が地上から消え失せれば……
    この私も消えます。



張悌 それだけのことですよ……



杜預 一つの国を滅ぼす……
    それは、多くの命も消えるということだ。



杜預 覚悟はしていたが……つらいもんだな。





09.落城勝利




孫晧 孫呉もここまでかよ……!
    とてもかなう相手じゃなかったな……



杜預 羊コ殿、天下は今一つになった。



杜預 これで終わったんだ、すべて……



10.戦闘後




杜預 終わったな……



周旨 終わりましたな。



杜預 周旨、俺は少し行きたいところがあるんだ。
    一緒に行ってみないか?



周旨 いいのですか?
    後始末等々あると思うのですが。



杜預 もう充分だろ!
    さあ、行くぞ!!



周旨 ずいぶん長江を上りましたな。
    ここは?



杜預 赤壁だ。俺らが生まれる前……
    ここで呉が魏を破った。



周旨 信じられませんな……
    そのような力が呉にあったとは。



杜預 そんな時もあったんだ。
    ……だが、天はいずれ一つになるもんだ。



周旨 ……なるほど、天下を一つにする
    その役割を、杜預殿が担ったわけですな。



杜預 皮肉なもんだ。この役目は俺なんかより
    ケ艾殿や羊コ殿がふさわしかった。



周旨 そのお二人の遺志を継いだ杜預殿だからこそ
   このような大業を成せたのです。



杜預 そうであればよいがな……
    ……まあいい!



杜預 これで戦も終わり、好きな読書を
    思う存分楽しめるってもんだ!



周旨 ハハ、そうですな。
   では、戻るとしますか。我らの国へ。



杜預 何を言っている!
    ここがすでに、我らの国だ!!